今週のギャラリー

「自画像」 昭和初期/紙本墨画淡彩
風がひとり 街の巷を走るなり
かぜに追れていそぐ心か
自画像 夢二生
シルクハットにフロックコート、おしゃれな身なりの男性は、作品に何度も登場するお馴染みの自画像=夢二です。ほぼ墨だけを使い、小さく頼りない姿とそれに覆いかぶさるように書かれた大きな画賛を取り合わせた画面は、漫画の一こまのようで印象的な作品です。画と書の融合は夢二作品の特徴の一つでもあり、詩的で味わい深い、夢二独特の世界を出現させます。
力なくうつむき背を丸めた冴えない姿は、人々に夢やロマンを与えて活躍した芸術家の晩年の境地を表しているのでしょうか。人生の悲哀とともに、即興的な筆跡の描写はどこか客観的で、ユーモアすら感じる軽やかさがあります。
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