
大正3年(1914)/絹本着色
たわわに実った林檎の樹の下に立つ女性は、大きな瞳が印象的な
顔立ちとその雰囲気から、妻のたまきをモデルに描かれたものと思われます。
林檎の幹が描く緩やかな曲線と女性のS字のポーズ、果実の淡い紅色と
頬や袖口の色合いなどは互いに呼応し、樹木と女性像を一体化させています。
木綿の着物に大きな前掛け、素足に草履という飾り気のないスタイルながら、
清楚な美しさを感じさせる女性像によって、“林檎”のもつイメージを表現した、
夢二ならではの生活に根差した美人画と言えるでしょう。
林檎の実を穫り入れた“あけびの籠”は、手による生活産業美術という、
後の夢二の理想へと続くものです。
夢二郷土美術館
Copyright(c)2009 Yumeji Art Museum All rights reserved.
このホームページの著作権は夢二郷土美術館にあります。画像・テキスト他データの無断使用・転載はご遠慮下さい。