
花をたづねて
花をたづねてゆきしまま
かへらぬひとのこひしさに
岡にのぼりて名をよべど
幾山河は白雲の
かなしや山彦(こだま)かへりきぬ。
夢二が数多くの表紙絵を手がけたことでも知られているセノオ楽譜。この『花をたづねて』は、夢二の著作本『どんたく』の中の詩「かへらぬひと」に、『宵待草』の作曲を手がけた多忠亮が曲をつけたものです。
表紙には、すっかり秋の色に染まった山の風景と草上に座す着物の女性が、淡い色彩で描かれています。詩からただよう胸に迫る物悲しさ対し、顔を上げ遠方に目を遣る女性のどこか晴れ晴れとした表情や、「かへらぬひと」から「花をたづねて」に変更されたタイトルは、明るい印象を与えます。詩と音色、ビジュアルイメージが融合した楽譜というメディアから、立体的でいっそう豊かな夢二芸術の世界が広がります。
夢二郷土美術館
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