
故郷の秋
夢二郷土美術館からも程近い岡山城(岡山市丸の内)は、黒い下見板貼りの外観から、“烏城(うじょう)”の別名で親しまれています。その表門の石垣から、濠に沿った白壁の家並み、緑濃い操山をのぞむ風景が描かれています。遠く茜色に染まる空の下には、夢二の生まれた邑久郡本庄村(現在の岡山県瀬戸内市邑久町本庄)があります。
色付いた草木の葉を丁寧に描き分け、淡い水彩の層で暮れゆく空の表情をとらえようとする写実的な表現から、初期の夢二の若さ、真剣さがうかがえます。後に「泣きたいほど懐かしい」と表現した故郷への思いが、見る者の心にも郷愁を誘う作品です。
夢二郷土美術館
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