
蛙
「蛙」が描かれた時、夢二は東京 松原の「少年山荘」で暮らしていました。
アトリエ兼住居だったこの建物の周りに、クヌギ・カイドウ・クチナシ・エゴなど30種以上の樹木を植えたと夢二の日記にあります。別名「山帰来荘」(さんきらいそう)ともいわれた「少年山荘」。山帰来はサルトリイバラのことです。絵の中に描かれた生き生きとして生命力あふれる緑からは、充実した時を過ごしていた、夢二の少年山荘での日々がうかがわれます。
若い女性は湯上りなのでしょう、上半身を露にした姿のまま,一心に髪を整えています。夢二が美人画のテーマとして度々描いた、化粧する女性の中の一枚です。
得意とした美人を描きつつも、シンプルな画中からはさまざまな作画の工夫が見られる作品です。着物の模様は右上に見える木の葉と呼応し、描かれていない鏡が視線の先に暗示されています。腰に巻かれたカラフルなバスタオルや化粧用のガラス瓶など当時のファッションがさりげなく添えられています。
そしてもう一つ。この絵の不思議にみなさんは気づきましたか?
作品の題名は「蛙」。でもその蛙はどこにも見当たりません。
あなたはこの「謎」が解けますか?
夢二郷土美術館
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