
秋のいこい
1920(大正9)年/屏風、紙
鮮やかな黄色に紅葉したプラタナスに囲まれて、着物の女性はベンチで物思いにふけっている様子です。手には青い洋傘を持ち、隣には大きな信玄袋(しんげんぶくろ)が置いてあります。夢二が好んだ和の装いと洋を取り混ぜたスタイルには、大正時代時代の華やかさや美しさが表現されています。
しかし一方で、この作品がが描かれた時代は、米騒動など、庶民の苦しい現実というもう一つの背景がありました。絵をよく見ると、女性は素足に下駄を履いており、身につけているのは木綿縞の質素な着物で、田舎から上京したものの途方に暮れているようにも見えます。可憐で、けれどどことなくはかなさや寂しさを感じさせる女性像は、夢二の美人画の魅力のひとつです。
夢二郷土美術館
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