
立田姫
1931(昭和6)年/屏風、紙
後ろ姿と優雅な顔の表情で女性の美しさを表現しようとした、夢二が到達した理想の女性像である「立田姫」は、当館コレクションを代表する作品です。
夢二自身が、
「自分の一生涯における総くくりの女だ。ミス・ニッポンだよ。」
と語ったと伝えられている、最高の自信作です。
鮮やかな赤いの着物を着て、こちらに背を向けて立つ女性の姿は、大胆にデフォルメされ、夢二の美人画の特徴であるS字のポーズをとっています。
豊作を司る秋の女神である“立田姫”の絵に添えられた画面右側の書(しょ)は、中国の詩人・杜甫(とほ)の「歳晏行(さいあんこう)」の引用です。
「去年は米が高くて日常の食にも事欠き、今年は米が安く農民は苦しい生活をしなければならない」という意味です。
美しい女性を描いた絵に添えられた農民の心情からは、ヒューマニストであった夢二の姿と、彼の芸術に込められた想いがうかがえます。
夢二郷土美術館
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