夢二が好んだ "芝居ごと"
2010年 7月27日(火)〜 10月17日 (日)

「梅川忠兵衛(みなとや版)」大正3〜4年
「芝居ごと」
雪の降る夜のかなしさに
姉の小袖をそと被(か)つぎ
「…… でんちうじや、はりひぢじや
島さん、 紺さん、 なかのりさん ……」
踊りくたびれ「袖萩(そではぎ)」の
肩に小袖をうちかけて
涙ながらの 芝居事
「寒かろうとて着せまする」
このまあつもる雪わいの。
『櫻さく嶋 春のかはたれ』(明治45年)より
夢二の生まれ故郷である岡山県邑久郡(現在の岡山県瀬戸内市)本庄村は、
近くに 朝鮮通信使 航行の要港であった 牛窓(うしまど)の港 があり、
かつてはそこから、旅人 や 富山の薬売り、阿波(あわ)の人形芝居 や
伊勢神楽(いせかぐら)などが 頻繁に往来していた 地域でした。
村の顔役であった 夢二の祖父、父は よく旅芸人たちの世話をし、
ときには 村芝居 の 勧進元(かんじんもと) を勤めるほどの
<芝居> 好き でもありました。
この地方の村では 芸能(歌舞伎や浄瑠璃など)を楽しむことは
日常であり、幼い夢二が 姉・松香 の小袖をかついで
<芝居> の真似ごとをして遊んでいた様子を描いた、冒頭の「芝居ごと」
(『櫻さく嶋 春のかはたれ(さくらさくしま はるのかわたれ)』に掲載)
などの 自著にみられます。
このような環境で <芝居> に親しんで育った夢二は、
芸能 に対する 造詣が深く、歌舞伎 や 浄瑠璃 に材をとった
作品(芝居絵)を 多く遺しました。
独自の感性でとらえた表現、単なる一場面にとどまらない
深い情感をたたえた画面からは、特別の思いを持って取り組んだ
題材であったことがうかがえます。
義理と人情のしがらみや、男女の極限の愛 などをテーマとした
上方(かみがた)の和事(わごと)を 特に好んだ夢二。
本展では、さまざまに揺れ動く人々の心 を 見事に集約した、
夢二ならではの「芝居絵の世界」をご紹介します。
会期中に2回、ギャラリートークを行います。
<芝居> の内容に触れながら、見どころをわかりやすくご案内します。
ぜひお越しください。
【ギャラリートークのご案内 】
■開催日
2010年 8月7日(土)、9月4日(土)
■時間
14:00〜
■会場
夢二郷土美術館 本館
※お申し込み不要、参加は無料ですが入館料が必要です。

◆開館時間= 午前9時〜午後5時(入館は、午後4時30分まで)
◆休館日 =月曜日(祝日の場合は翌日休館)
◆入館料 =大人 700円(560)/ 中高大学生 400円(320)/ 小学生 300円(240)
※( )内は、20名以上の団体料金
夢二郷土美術館
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